西成の飯を食べる
先日大阪ドームで開催された日本選手権という社会人野球の大きな大会を観戦すべく大阪で数日間滞在した時の話。
日本選手権は都市対抗野球と並び大人の甲子園と呼ばれる大きな大会で毎年観戦に行っている。
また自分自身オリックスファンでもあり大阪へ行くことはよくあるのだが基本的に誰かと一緒に泊まることが無い限り宿を取らないで現地へ向かう。
理由としては現地の人に泊めてもらったり朝まで飲んだりとあるが最大の理由は
遠征費の節約
毎週のように日本全国をぷらぷらしてる身にとって交通費や宿代というのはケチるだけケチりたい。そしてケチった金でまたどこかへ行きたい。それだけである。
決してどケチでは無い。多分。
温泉宿のように宿も楽しむならそれなりに金を出すが今回は野球だけで楽しみが100%近くを占めており宿は個室で布団があり空調が効けばそれでいいのである。
そんでもって観戦した夜、友人が西成に泊まるという。
「西成」
確かに聞いたことがある。基本的に一般的な大阪人は近づかない。とにかくヤバいらしい。一緒に観戦してたコテコテの大阪人もヤバいと連呼していた。
よくスラム街、ドヤ街と呼ばれ治安がかなり悪いと悪評しか聞かない街であるが実際に行ったこともなく話を聞いてるうちにだんだん興味が湧いてきた。
自分自身が好奇心旺盛なのとこのような悪評しかない事、「〜らしい」という話に関しては実際に足を運んだりして五感で感じ取るのをモットーにしているからなおさら行ってみたくなったのだ。
ドヤに泊まればネカフェと同じ金額くらいで泊まれるという事で早速西成に向かった。
一泊2000円くらいのホテル(と呼べばいいのか)に滑り込みでチェックインし新世界で飲んだ後に軽く界隈を散策することにした。
よく路面電車の駅で家を持たない人たちが多く寝泊まりしているという駅へ向かってみた。がその姿は無かった。何度か西成に泊ってる友人に話を聞くとここ数年でほんとほんの若干であるがまともな街になって来ているらしい。ほんの若干(強調)
なんだそんな街になってしまったのかと思ったけども翌日の文化の日には数人寝ていたという。宿代が高くなる土休日はまぁそういうことである。
ちなみに自分も宿代が上がるということで翌日の文化の日は個室ビデオ店で寝泊まりした。まぁそういうことである。
なんか親近感がわきますね。
生茶安いwww pic.twitter.com/rGgX1lzYjT
— カイル@三澤絹江 (@kylemagi) 2017年11月2日
よく写真を見る格安自販機もあった。生茶50円ってどんな世界なんだ。
ちなみに隣の自販機では賞味期限切れのローヤルゼリードリンクが10円で売られていた。
散策している間も何人か目線がおかしい人やプロの酔っ払い。腕がお察しくださいな人とすれ違ったりしてバイオハザードの世界に来てしまったのかと一瞬錯覚しそうだった。
奥地へ潜入しようとするも流石に深夜の1時である。何があるかわからないので今回は引き返そうという事になり宿に引きかえり夜を明かしたがやっぱり気になってしまうので朝起きて一人で散策してみた。
街の様子は自転車が路上に大量に停められていて歩道と車道の区別なんか無く東南アジアの街に来たようなそんな感じだ。そして独特のかほりもする。お察しください。
休日とも会って道路には多くの住人の方が出てきていて朝から酒をあおったり【禁則事項です】を嗜んでたり自転車1台を巡る小競り合いをしていたりとにぎやかだった。
そこまで詳しいことはあえて書かないが15分くらいの散策だったけどもここが本当に日本なのかと思ってしまう光景が広がっていた。行きたい人は行ってみると良いだろう。自己責任で。
ちなみにここまで街の写真が無いのは写真を撮っていると命が取られそうな気しかしなかったからである。自己責任ですからね。自分の身の安全は自分で守りましょう。
かなり前置きが長くなってしまったがここからが本題。実は一度は行ってみたかった場所がある。
大阪西成が誇る激安スーパーである玉出。大阪へ行くと1度は必ず目にするあのド派手な看板のスーパー玉出。正直数年前まで名前と看板の派手さからパチンコ屋かと思っていたのは内緒。
玉出はとにかく安い。惣菜を始め色々なものが衝撃的な価格で売られており西成界隈に住む人たちの貴重な食料調達場として繁盛している。
店の写真を撮ろうとするも店の前でおじさんがあぐらを組み空虚に向けて大声で説教していたので撮影は控えた。店構えが気になる人はググってください。
そんな西成に住む人たちと同じものが食べてみたいということで玉出で朝ご飯と野球観戦のビールのつまみを買うことにした。
これからの先の文は決してスーパー玉出や生産元を誹謗中傷する気は全くなく個人が興味本位で西成の文化を5感で感じるために実際に食べてみた感想であるという事を注記しておく。
〜ハイパーハードボイルドグルメリポート〜
— カイル@三澤絹江 (@kylemagi) 2017年11月3日
西成に寝泊まりする社会人野球ファンの朝飯 pic.twitter.com/xgV9HMmYvh
まず1品目は豚肉ご飯。
店に入るとすぐに惣菜コーナーがあるのだがここで1番並べられているのがこの100円のパックに入ったご飯物である。白米や豆ご飯、そぼろご飯等数種類のご飯物が売られている。店内を観察していると多くの人が100円白米を手にしており売れ筋商品なんだと感じた。
味の方は学生の頃に食べたお弁当に入っていた冷凍食品の豚丼のような味。見た目とは違い思っていた以上に味は悪くなくこちらの方はすらすら食べることができた。ちょっと白米がベチャベチャしていたけど気にしない。
ちなみにハイパーハードボイルドグルメリポートとはテレビ東京で先日やっていたマフィアや娼婦、元少年兵の食生活を通じで現状を伝えるドキュメンタリー番組だ。なかなか考えさせられる番組だったので是非とも観て頂きたい。
http://www.tv-tokyo.co.jp/hyperhard/
美味いけど箸が折れた pic.twitter.com/B57SWKz7tw
— カイル@三澤絹江 (@kylemagi) 2017年11月3日
3口目くらいで玉出でもらえた割り箸が折れた。食べるときはコンビニの割り箸等で食べたほうが良いかもしれない。
西成飯。化学調味料の味しかしない。 pic.twitter.com/8inFFW4K37
— カイル@三澤絹江 (@kylemagi) 2017年11月3日
朝ご飯を食べたので朝からビールを飲むためにおつまみに突入。2品目はチャーシュー。
味としてはまぁ冷凍食品のラーメンに入ってるチャーシューというところだろうか。味は濃い目でお酒にも合う。少なくとも弊社の社食のラーメンのチャーシューよりかは味がする。
美味しく食べられるがこれがたくさん入っており数は食べるのはしんどかった。結局友人らとシェアしながら食べた。
噛んだときのイカの旨味が全く出てこなくてビビる pic.twitter.com/vtRSNx6B3G
— カイル@三澤絹江 (@kylemagi) 2017年11月3日
3品目はイカの唐揚げ。イカの唐揚げは大好物で前日も大阪ドームの真横にあるイオンで買って食べているくらい。揚げるだけだしはずれくじを引く可能性も低く安定感抜群のつまみだと思っていた。
これを食べるまでは。
口に含んだ瞬間はイカの風味が若干来るが噛んでも噛んでもイカの独特のあのうま味が全くと言っていいほど出てこない。何のイカを使ってるんだ…。
一緒に食べた友人はタイヤの唐揚げだと言っていたがわからないことも無い。
調味料(アミノ酸等)とはなんだったのか。
タレがさらっさらすぎて絡みつかない pic.twitter.com/xFcuyy2Xwq
— カイル@三澤絹江 (@kylemagi) 2017年11月3日
最後の品はピリ辛ら骨なしチキン。商品名の送り仮名から怪しさ満点である。
しかし見た感じハズレではなさそうだしパッケージにも「ビールに最適!」と書かれてたしまぁ美味いんじゃないかと思い購入。
タレが絡みつかねぇ…。
タレが水っぽくまた味が薄いためかただのちょっと味のする水みたくなっていた。
浸して食べるも絡みつかない&薄味でなんか…うーん…。
チキンもぱさぱさしていて咀嚼がなかなか進まなかったがビールで流しこんだ。
デザートに賞味期限が切れそうでセールで1円で売られていたプリンを食べ西成飯を完食した。これは普通の味。
酒代を除いてもこれだけで500円もしない。お腹いっぱいだ。
しかしこれだけでも贅沢で食べられない人もあの街にはいるはずであり食後にすこし感慨深くなった。
なおさら今まで普通に食べれている現状も普通ではない人もいるわけでそれを現実に目の当たりにすると日々の生活にも感謝しながら生きていこうと思う。
考え方が変わる街「西成」人生で一度は行ってみたほうがいいかもしれない。
あくまでも自己責任で