関東のキュウセンは本当に不味いのか

一部界隈では有名な真鶴の福浦港へ行った時の話。

大潮の後の中潮という事で朝マズメでエギングをしに行ったんですが反応なし。

とりあえずシカケを変えてカワハギかキスでも狙ってチョイ投げでもやってみっかー

ﾋﾞｮｲｰ

ｷｭｳｾﾝ!!

ﾋﾟｮｲｰ

ｷｭｳｾﾝ!!

ﾋﾟｮｲｰ

ｻｻﾉﾊﾍﾞﾗ!!

ﾋﾟｮｲｰ

ｷﾀﾏｸﾗ!!ｷｭｳｾﾝ!!一家!!

ﾋﾟｮｲｰ

ｷｭｳｾﾝﾀﾞﾌﾞﾙ!!

ベ　ラ　祭　り

まぁ海底が岩礁帯だからしかたないんだけどここまでかよｗ

重りが着底してちょっとサビいたり誘ったらすぐアタリがくる状態。

カマスの群れが回遊しててジグを持ってきて釣れば良かったと若干後悔してたのは内緒。

場所を変えても釣れてくるベラと根掛かりで飽きてきたので先日ダイソーで発見した投げ釣り仕掛けに

イソメを3匹房掛けにして沖へ遠投。これならベラ以外がきっと釣れてくるはず。

すると早速ゴンゴン!!と大きい当たりが。当たりの感じ的にカワハギか？これはベラじゃねーべ！期待を込めてリールを巻いて行く

お、見えてきた

ん？

緑？？？

！！

 

20cmオーバーのキュウセン

と15cm程度の♀のダブルでした。そりゃ引くわ。

でけぇなオイ。このサイズのキュウセンは初めて釣った。

大きいキュウセンは30cmくらいになるみたいで写真を見たことあるんですがまぁキュウセンという名のブダイみたいになってましたね。

関東ではThe外道の烙印を押されてますが20cmを越えてくるとご立派。

これで満足して脅威のベラ打率10割を達成し帰宅。

ということで食べる。ちょうど釣る前から冬眠間近のキュウセンを食ってみたいと思っていたのでちょうどいい。

キュウセンはヌメリがある為、捌く前に塩揉みをしましょう。

 

本来の味を知るのと関東のキュウセンは水っぽく柔らかいと不評なので確認するためにあえて刺身にしました(右下)

家族全員釣りをする我が家でキュウセンの刺身が食卓に上がるのは初めてで前代未聞である。特に魚の味には全員うるさいためシビアな批評が受けられる。

一口食べてみるとキスのような食感と味、そしてほんのり甘みが広がる。うん

美味い。これはキスと一緒に並べても区別がつかないくらいだ。

肝心の食感もそんなに柔らかくなくほんとに美味しくいただける。正直想像以上。

父親にはキュウセンということは秘密にして食べさせることにした。「ホウボウ？」とか言ってた。母親も捌いてる時に「ベラかよ…(失笑」みたいな感じで見てたが食べて手のひらを返し「侮れねェなキュウセン…」と言っていた。それくらい美味いんだ。

今回は釣れたら氷締めにして持ち帰ったがすぐ締めて持ち帰って来たのと水温が低くなり始めた時期だからこういう結果になったのかもしれない。

ところで関西(主に瀬戸内海産)では高級魚扱いされるキュウセンは何故そのような扱いをされるのか。関東のは身が柔らかい、水っぽくびしゃびしゃしてる、挙句の果てには見た目が食べれなさそうetc…と酷評されているが。

おそらく2つの理由が挙げられる。

・瀬戸内海の潮の流れが速い

これはキュウセン以外の魚でも言われることだが瀬戸内海は潮の流れが速くその環境で育つことにより身が引き締まる。また潮が速いから養分も海底から巻き上げられプランクトンも豊富に育つ。そしてそのプランクトンを餌とする甲殻類も豊富でそれを食べるキュウセンにとっても餌が豊富で育ちやすい環境なのだろう。

・瀬戸内海の冬場の水温が低い

キュウセンは冬眠する魚である。水温が15度以下くらいになると砂に潜り冬眠。冬を越しまた水温が15度くらいになり始めると冬眠から目覚め活動を始める。

だが瀬戸内海は冬場は水温が低く春にかけて水温の上昇ペースは低い。その為キュウセンの冬眠から目覚める時期も遅いのだ。

その為に活動時期が短く成長スピートが遅いが瀬戸内海の潮と豊富な餌によって短期集中型のように鍛えられ身が締まるということである。

関西でのキュウセンは食べた事が無いので来年にでも釣りに行きたいと思う。あと旬と言われる夏場のキュウセンも食べてみたい。

来年の課題が一つ増えた1日だった。